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2024.07.21

築年数が古い一戸建て住宅はお買い得ではありません

 

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最近youtubeで築年数が古い戸建てを購入して「○○万円でリフォームしました!」というような動画が目に付くようになったので今回の記事を作成しました。
まず初めに、築年数が古い一戸建て住宅がお買い得と言うことはまずあり得ません。
本来かけるべきコストをかけていないだけなので、上辺だけの情報で惑わされないようにご注意ください。

■築年数が古い戸建て住宅には改修工事が必要です

築年数が古い物件を検討する際に欠かせない手続きがあります。
それは建築士によるインスペクションです。
不動産取引で一般に行われるインスペクションは、主に建物の劣化状況を判断する既存住宅現状検査を指しますが、築年数が古い、特に旧耐震と呼ばれる時期の建物は、それに加えて耐震診断も実施した方が良いでしょう。
建物の状況を確認して、購入時に必要な改修工事を行う…。ものすごく当たり前のように見えますが、中古の取引でこの当たり前がきちんと実施されている例はそれほど多くありません。
理由は費用です。
インスペクション費用に加え、築年数が古い物件をきちんと改修しようと思うと、一般の方が思うより多額の改修費用が必要になります。
築古物件の一番の魅力は価格が安いことですが、改修費用がかかり過ぎてメリットを殺してしまうため、とりあえず住むことができればよいというレベルの「お色直し的」リフォームに留まってしまうことが少なくありません。
youtubeで再生回数の多い動画は購入者自らがリフォームを行うDIYのものも多いのですが、DIYで住める状態にするというのは「お色直し的」リフォームの最たるものです。
ちなみに住宅性能が現行基準に満たない、例えば耐震性能が低いと判断される物件だったとしても、売買において改修しなければならないという法律はありませんので、事業者が買い取ってリフォームして再販するリノベーション物件でも、見た目がきれいなだけで、肝心の住宅性能がおざなりになっている物件も存在します。

■住居費を安くしたい人でも「1円でも安く」は危険な発想

なるべくリフォームを含めた購入費を抑えて、住居費を安くしたいとお考えの方も多いと思います。
例えば普通に住宅購入した場合に月々の返済額が10万円は下らないエリアで、月々の返済が5万円で済むような住宅購入ができたら、浮いたお金でいろいろできそうだと思われるかもしれません。
しかし、実際に売り出し物件を見てみると、ここまで差がつく物件はあまり見られません。
従って「1円でも安く」と考える方はどうしても郊外の物件に目が行ってしまいます。
「多少不便でも車があるから大丈夫」は今だからできる判断です。

不動産の価格を決める要素はいくつかありますが、「利用価値」という側面があります。
特に戸建ての場合は物件代金における土地値の影響が大きく、今回の記事のように築古物件ともなると建物はほとんど無価値で、土地値だけの取引も少なくありません。
また、周辺相場と比較して安いあるいは安すぎる物件というのは相応の理由があるものです。
つまり「1円でも安く」の発想で物件探しを行うと、普通の人なら手を出さない「買ってはいけない物件」を掴んでしまうリスクが高くなってしまいます。

安ければ何でもいいというのは危険な発想で、例えば土砂災害の危険区域に指定されているような物件であっても「安ければいい」が成立してしまいます。
「いつ来るかわからない地震のためにお金を使いたくない」「多少の雨漏りでも大丈夫」などが許容できてしまうのが安ければ何でもいいという発想です。
こういった発想の方には何を言っても上手く伝わらないのですが、エンジンやブレーキに不具合があっていつ故障してもおかしくない状態の中古車を買うと例えれば、判断のあり得なさが少しは伝わるかもしれません。

■どうしてもDIYしたい人は

せっかく家を買うのだから家づくりを楽しみたい、とお考えの方もいるかもしれません。
DIYを楽しみたい方は、DIYで対応できる箇所を決めて、プロによる改修工事の後に存分に楽しんでください。
現在木造建築工事業に携わっている方を除いて、素人判断で改修工事を行うのは推奨できません。
プロに任せるべき箇所は素直にプロに任せましょう。
また、最近はリフォーム費用を物件代金とあわせて金利が低い住宅ローンを組むことができる商品が増えていますが、流石にご自身で行うリフォームの材料費を住宅ローンに組み込むことは困難です。
工事に必要な機材の問題もあるので、安く済ませるつもりのDIYが思った以上の出費になってしまうことも容易に想定できます。
工務店・リフォーム会社とよく相談して決めた方が良いでしょう。

■田舎の物件を安く買う

youtubeの動画には不動産の価格とは思えない安い金額で物件を購入してDIYする動画も見られます。
売りたくても買い手がつかない物件が投げ売りされている状況なのですが、こういった物件は「あり」なのか「なし」なのか?
リモートワークなどで通勤しなくても良いのが前提となります。
投げ売りされている不動産は所謂田舎の中でも立地が悪い物件が多いので、不便な立地を許容できない人にはおすすめではありません。
もう1点。
再販の可能性を考慮しないのも重要です。
今の時点で投げ売りされている状況なので、将来買い手が見つかる可能性は低いでしょう。
リフォームした分高く売りたい、住まなくなったら貸したいというような可能性を考慮したい人には向きません。
金額が安いから住まなくなったら売れなくてもいい、という割り切りができる場合に、投げ売り物件は違った魅力が出てきます。
冒頭からご説明している通り、改修費用は必要です。
しかし改修費用を含めた物件購入費用と通常の住宅購入の場合を比較すると、購入費用を捨てる結果となったとしても魅力的に思える購入計画が成り立ちます。
田舎に住むという固有の問題もあるので、決してお勧めなわけではないのですが、人口減家余り時代で、これからますます「売れない築古物件」が出てくることを考えると、使い捨ての住宅購入というのは令和時代ならではの住宅購入方法と言えるかもしれません。

■ただし賃貸はダメ。絶対にダメ。

投げ売り物件を格安リフォームして貸し出して収益を上げるという趣旨の動画も紹介されていますが、賃貸で利用する場合はダメです。
確かに現行の法律では性能が劣る物件を貸してはいけないというものはありません。
ただ、建物の責任は所有者が負うので、その物件で何か問題があった場合に「知らなかった」では済まされません。
購入費たった○万円で、月々の賃料○円・利回り○%といったように、あたかも成功事例のような紹介のされ方ですが、この判断は賃借人を危険な状態に晒しながらも必要な改修は行わないというかなり悪質な不動産オーナーと言える行為なので、中古物件をリノベーションして賃貸業を営む方は、最低限必要な改修工事くらいは実施してもらいたいです。
質が悪いのがこういった悪質な賃貸物件の例が、自治体の空き家対策の成功事例として紹介されていることです。
「古民家を改修してカフェを営む」「古い空き家を民泊で活用」こういった例も本質的には同じことなので、築古物件の再生利用の例を見かけたら、リフォームにどれくらい費用がかかったのかに注目することをお勧めします。

■安く済ませたい人はそこそこ古い物件を狙う

最後に「1円でも安く」買いたい人向けに、費用を抑える買い方をご紹介します。
まず築年数ですが、できれば2000年6月以降の物件が良いです。
最低でも1981年6月以降の新耐震だけは譲ってはいけません。
これは耐震改修にかかる費用を抑えるためです。
旧耐震の物件は多額の耐震改修費用が必要になってしまいます。

続いて内見時に雨漏れ跡がないかをチェックします。
雨漏れ改修もお金がかかるためです。

キッチンやお風呂、トイレなどの住宅設備は、機能に問題がなければそのまま使います。
クロスやフローリングまで節約しましょうとは言いませんが、フローリングの工事は意外と高額なのでご注意ください。
なるべくリフォームコストを抑えて、その分、外壁・屋根の塗装工事に費やします。

気になる物件が絞られたら建築士によるインスペクションを実施します。
既存住宅売買瑕疵保険を利用すると安心です。

ここで価格の話を整理します。
戸建ての価格は土地代+建物代です。
建物については税金の計算が参考値として考慮されることが多いのですが、木造の場合20年+αでほとんど価値がなくなります。
つまりご紹介した築年の物件だとほとんど土地代と捉えることができます。
土地価格も経済状況から変動しますが、マンション価格のような大きな変動ではなく、ゆるやかに推移しているように見えます。
しかし悪い立地だとそもそも買い手がつかないリスクがあるので、周辺相場だけでは判断できません。
リセールバリューで言うと不動産価格が高かければ高いほど資産価値を維持しやすい傾向があるので、安すぎる物件よりもそこそこの値段の立地を選んだ方が、結果的にお得だったという状況になると予想されます。

以上のことから、お得に購入したい方は、
・目先の売り出し価格ではなく、予算内でなるべく良い立地を選ぶ
・耐震改修が不要な築年の物件を買う
・インスペクションを実施する
・お金がかかる劣化がある物件は買わない
・リフォームは最小限に留める
・屋根、外壁塗装工事は行う※
・既存住宅売買瑕疵保険をかける
という買い方を行うと、結果的にお得だったという状況が実現できる可能性が高いと言えます。
※住んでいる間のメンテナンスコストを考えると購入時に住宅ローンに組み込んで実施した方がお得です。

途中でも触れましたが、住宅購入をそこそこの費用で済ませて、浮いた分を他で利用するというのは令和時代ならではの家の買い方と言えるでしょう。
一生住み続けるではなく、必要に応じて柔軟に住み替えると考えると、より良い品質を目指して余計なコストを費やすよりも、最低限な性能だけを確保するというのも合理的な判断だと言えます。
実際にはそこまでストイックに考える必要はないので、家族が過ごす時間が多いリビングのリフォームだけにお金をかけたり、キッチンだけはこだわってリフォームするなど、多少の贅沢は許容範囲です。
お金をかけるところ、節約するところを選べるのが中古住宅購入のメリットとも言えます。

不動産の広告を見ていま一つピンと来ない方は、今回ご紹介したように中古住宅+リフォームの買い方が適しているかもしれません。
一度リフォームを含めた購入計画について相談してみてはいかがでしょうか。

 

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