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■実は住宅ローンを組むなら、早い方が良い!
転勤が多い方は、どうしても住宅購入が遅くなる傾向があります。しかし、「長い老後に備えて、終の棲家を持ちたい」と50歳を過ぎて、住宅購入を検討される方がいます。また、50歳を過ぎて、それも夫婦共働きの場合は、かなりの収入があります。その収入に見合った立派な住宅購入が出来ると思われると思いますが、住宅ローンの組める償還期間が短い為、収入から予想される住宅購入が出来ないケースも多くあります。
■50代で住宅ローンを組む人が増えている!
50代で住宅ローンを組む人が少しずつ増えているようです。SBI新生銀行では2022年の50代以上の申込件数が、新型コロナウイルス禍前の2019年を約2割上回っていたようです。三井住友銀行でも50代以上の利用が増えており、子供の独立など家族構成が変化したとき住み替える例が多いようで、購入金額の一定割合をローンで賄いたいという需要があるそうです。
リクルートが首都圏の新築マンションを2022年に契約した人を対象に購入理由を聞いたところ、世帯主が50歳以上では「老後の安心のため」が38.9%と最多となり、続いて「生活に便利なところに住みたい」(32%)、「新しい家に住みたい」(23.8%)などが上位に挙がったようです。高齢になった時に備えて買い物や通院がしやすい場所にあったり、断熱性やバリアフリー性能が高かったりする住居へのニーズが強いとみられています。
詳細はリクルートのアンケートをご参照いただければと思います。
https://www.recruit.co.jp/newsroom/pressrelease/2023/0315_12132.html
50代で住宅ローンを組む人が増えている背景には住宅価格の上昇があるようです。不動産流通経営協会の2022年度調査によると、自宅を売って住み替えた世帯で売却価格が購入価格を上回った割合は58.4%と、前年度に比べ20.9ポイント増えました。高値で売却が出来た分、住み替えようと思われたケースも多いようです。
自宅の売却で住宅ローンの残債を完済しやすくなっており、自宅を売りやすい環境がシニアの住み替えを後押ししているようです。また、住宅ローンの金利が低水準で推移し、購入資金を借りやすいことも見逃せないようです。
住宅ローンは借入時の年齢上限が65〜70歳程度、完済時年齢の上限は80歳未満とする金融機関が多く、50代以上でも利用は可能となります。しかし、若い世代より返済が難しくなった際の対応策は限られるため、資金計画は慎重に考えていただきたいと思います。
■50代以上の住宅ローンを組まれる際の注意点とは?!
まず知っておきたいのは返済期間による総返済額と月返済額の違いです。当たり前の話ではありますが、住宅ローンを借りる際に、返済期間を短く設定すると月返済額が増えます。返済期間を延ばせば月返済額を抑えられますが、総返済額は多くなります。
55歳で2000万円を借りるケースでシミュレーションをしてみたいと思います。仮に年1.8%の固定金利で試算すると、65歳までの10年で返済するなら月返済額は約18.2万円で、総返済額は約2200万円。70歳までの15年返済にするとそれぞれ12.7万円と2300万円となります。80歳までの25年返済なら8.3万円と2500万円になる計算です。
返済期間をどう設定するかは借りる人の収入や貯蓄などによって異なります。専門家は50代以上の返済計画を立てる際、長く借りて毎月の返済額を抑えることを優先する提案をすることが多いかと思います。定年時に完済することを目指すと月の返済負担が重くなり、老後資金の準備が手薄になりかねないためです。
収入がある間は一定の条件で住宅ローン減税が利用できるほか、契約者の死亡など万が一の際は民間の住宅ローンなら原則加入する団体信用生命保険でローン残高はなくなります。返済期間は繰り上げ返済によって返済途中でも短縮できますので、少しゆとりのある返済計画を立てるのも一案です。一方、住宅ローンの返済延長は難しく、金融機関の再審査が必要になります。
返済期間と月返済額を設定する際は50代以降の収入見通しを踏まえることが欠かせません。会社員の年収が高い時期は一般的に50代で、55歳前後の役職定年以降は収入が減りやすいと言われます。60歳の定年で収入が半減するケースも多く、収入が減っても返済額が収入の25%以内に収まるような計画をご検討ください。
同時に心がけたいのは毎月の返済を続けながら、リタイアするまでに貯蓄を急ぐことと言われます。住宅ローン残高と同額以上の貯蓄を準備し、いつでも完済できる選択肢を確保することも大切です。そのため購入時の自己資金(頭金)は物件価格の5割程度がひとつの目安になるといわれます。また、忘れてはいけない事として、50代以降は病気のリスクも高まります。思わぬ出費や収入減に備えて、老後資金とは別に、300万〜500万円程度の余裕資金を用意することを考えたいです。
今後の参考にお役立て下さい。
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